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スーパーのビニール袋にカギを入れたまま捨てちゃった

カギがないことに気が付いたのは土曜の朝のことでした。会社も休みで一日ゆっくりできるなあって考えつつベッドから起きてくると、まずは妻に可燃物のゴミ出しを頼まれたのです。めんどうくさいなと思いながらも、これで今日一日が過ごしやすくなるんだと思えば大して苦にもなりませんでした。

実はうちの妻は、なぜか雨の日に限ってわたしにゴミ出しを頼むのですが、会社のカバンと傘を持ちながら、駐車場にあるゴミ箱のふたを開けてゴミを捨てるなんて、なかなかどうして大変な作業なのです。それを思えば休日の朝、しかも晴れているときに頼まれるゴミ出しならお安いご用といったところでした。
言いつけどおりにゴミを出してこようとすると、ちょうどコーヒーが沸くところでした。実はわたしはコーヒーがあまり好きではありません。それでも雰囲気を楽しみながらコーヒーと簡単な朝食を食べていれば、人並みの幸せを感じられるというものでしょう。

可燃物のゴミを出し、そのまま早朝の空気を吸いながらマンションをゆっくりとう一周することにしました。休みの日の散歩の習慣で、花壇の植え込みなんかを見ながら近所の人とあいさつを交わし、いざ部屋に戻ろうとしたとき、カギがないことに気が付きました。
携帯電話はあったので妻に電話をしながら記憶を探ります。電話に出た妻は、いつもの場所にカギがないことを知らせてきました。そのとき思い出したのです。昨夜スーパー買い物をして帰宅した際、両手がふさがっていたのでついそのレジ袋に鍵を放り込んだことを。
その袋はいま出してきたゴミ袋のなかです。急いで集積場に引き返し、自分の出したゴミを漁りました。近所の方に声をかけられ、思わず「不燃物を出してしまった」と言いましたが、間違いではないでしょう。
その後なんとか鍵を見つけ出して、無事に家に帰ることが出来ましたが、近所では「ゴミ分別のスペシャリスト」と呼ばれるようになってしまいました。